エクセルで来客数を予測する方法(回帰分析で需要予測)
エクセルを使えば、来客数予測や来店予測を行うことができます。
この記事では「回帰分析」を使って、来客数の予測に使える計算式を作成する方法を紹介します。
例えば以下のようなことが分かります。
・休日は来客数がどれくらい増えるのか
・雨の日はどれくらい来客数が減るのか
・過去のデータから将来の客数を予測する
来客数予測をエクセルで行うメリット
・無料で始められる
・データがあればすぐ分析可能
・計算式として使える
👉 小規模ビジネスには特に有効です。
エクセルの分析ツールを有効にする方法
エクセルで回帰分析を行うには「分析ツール」を有効にする必要があります。
分析ツールをすでに使える場合は、
エクセルで来客数を予測する手順に進んでください。
エクセルで「分析ツール」を使えない場合は、
関数を使って回帰分析を行う方法も紹介していますので参考にされてください。
エクセル関数で回帰分析を行う方法
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分析ツールを有効にする手順
1. メニューの左上の「ファイル」( ① )を選択します。

2.「オプション」( ② )を選択します。

3.「アドイン」( ③ )を選択します。
4. アドインのメニューが右側に表示されたら、下の方にある「設定」ボタン( ④ )を押します。

5. 有効なアドインとして表示された項目の中から「分析ツール」( ⑤ )を選択し、右の「OK」ボタンを押します。

6. 最初の画面に戻って「データ」のタブ( ⑥ )を選択すると「データ分析」( ⑦ )が表示されるようになります。
エクセルで来客数を予測する手順(回帰分析)
ここから実際に来客数予測を行います。
データの準備
今回は以下のデータを使用します。
・来場者数(目的変数)
・過去7日間の平均来場者数(説明変数1)
・休日(1=休日、0=平日)(説明変数2)
・降水量(説明変数3)
用語の解説
・目的変数:予測したい値(ここでは来場者数)
・説明変数:予測に使う要因・要素
・単回帰分析:説明変数が1つの回帰分析
・重回帰分析:説明変数が2つ以上の回帰分析
回帰分析の実行手順
1. メニューから「データ」タブ( ⑥ )を選択し、「データ分析」( ⑦ )をクリックします。

2. 下図のような表示が出ますので、「回帰分析」( ⑧ )を選択して「OK」を押します。

すると下のような「回帰分析」のメニューボックスが開きます。

3.「入力Y範囲(Y)」( ⑨ )には、目的変数として”入場者数”とその下のデータ( ⑨' )を選択します。
今回は全てのデータを選択しました。
4.「入力X範囲(X)」( ⑩ )には、説明変数として
”過去7日間の平均入場者数”
”休日”
”1日の降水量”
それぞれの列の下の全てのデータ( ⑩' )を選択します。
5.「ラベル」を選択してチェックを付けます(11)。
6.右側の「OK」を押すと下の表のように結果が出力されます。
(見やすくなるよう表示する桁を変更しています。実際にはたくさんの桁数の数字が表示されます)
来客数予測の計算式の作り方(具体例)
回帰分析を行うと、来客数を予測する計算式が作成されます。
基本形は以下です。
来客数 = 切片 +(説明変数 × 係数)
今回の結果から得られた予測式は以下の通りです。
来場者数 = 0.989 × 過去7日平均 + 23562(休日)- 720 × 降水量
(切片を省略した理由は後ほど解説します)
この計算式で分かること
・翌日の入場者数は過去7日間の平均に近い値になる
・休日は約2.4万人増える
・雨が1mm増えるごとに約700人減る
このように、来店予測の計算式をエクセルで作ることができます
回帰分析の結果の見方(R2・t値・P値)
重決定係数(R2)
予測の精度を表す指標
→ 1に近いほど精度が高い
今回の0.788はまずまずの結果です。
補正R2
無駄な説明変数を考慮した指標
→ モデルの評価はこちらが重要
今回の0.784はまずまずの結果です(改善の余地はありそうです)。
標準誤差
予測のズレの大きさ
→ 小さいほど良い
t値
変数が意味を持つかの指標
→ |t値| > 2 が目安(±どちらでも数字が大きければ意味がある)
今回「切片」はt値が-0.15ですので、切片(-766)には意味がないかもしれません。
P値
その変数が偶然でない確率
→ 0.05以下なら有効
今回「切片」のP値は0.88でした。切片の値は本当は0かもしれませんので、計算式から省略します。
下限95%と上限95%
95%の確率で係数がこの範囲内に収まると分析されています。
(2種類ありますが、通常は1つ目だけ見れば十分です)
来店予測の精度を上げる方法
① 説明変数を見直す
説明変数を改善する
今回は降水量を説明変数としましたが、降水データの使い方には改善の余地があります。
降水量50ミリと55ミリの差より、0ミリと5ミリの差の方が影響が大きいはずです。
説明変数を「雨あり」か「雨なし」の二択にする手もあります。
データの形を変える
今回は説明変数に「7日間の平均入場者数」を使いましたが、これも改善の余地があります。
「7日間の平均入場者数」には、休日の入場者数も含まれています。
今回の例では別の説明変数に「休日」もあるため、説明変数同士が干渉してしまいます。
それぞれの説明変数は独立したデータとすべきです。
「過去1週間の"平日"の入場者数」の方が良さそうです。
上記の2点を改善した場合の回帰分析についてはこちらで紹介しています。
エクセル関数で回帰分析を行う方法
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自由度調整済みR²は、0.784から0.801に向上しています。
② 新しい要因を追加
来場者数に影響しそうな別の要素を追加することで計算式が改善されるかもしれません。
夏休み:通常の週末と異なり、客層が変化することも考えられます。
連休:3連休の初日、中日、最終日では顧客の行動も変化します。
イベント:恒例のイベントは予測に組み込むことができます。
③ 他の予測手法を使う
エクセルでより手軽に予測式を作るには、以下のような関数を使う手もあります。
・FORECAST関数:将来の値を予測する関数
・TREND関数:回帰直線を使った予測
手軽さより精度の向上を目指すなら、次のような手法があります。
・SARIMAモデル:季節変化を予測に組み込むことができます。
・ニューラルネットワーク:人工知能にも使われる予測モデルです。
人工知能による予測は精度向上や自動化などメリットが大きいですが、デメリットもあります。
・計算の過程がわからない → 人間による修正の判断が難しい
・予測が技術者任せになる → 技術者を雇うか外部に委託する必要がある
エクセルを使った予測は自動化しにくいデメリットがある一方で、
手軽にデータとノウハウを継承できるメリットもあります。
予測手法は用途に応じた使い分けが重要です。
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