ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の天気予報を使いこなす3つの方法
気象予報士が運営しているサイト、CukePlateです。
今ご利用の天気予報より当たる予報を探していますか?
この記事では、よく当たると評判のヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)について、
・どこでECMWFの天気予報を見られるのか
・ECMWF天気図の活用法
をわかりやすく解説します。
【基礎知識】ヨーロッパ中期予報センターとは
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)とは、ヨーロッパ各国が共同で運営する国際的な気象機関です。
日本の気象庁の資料では「欧州中期予報センター」と表記されています。
特に台風や低気圧など大規模な現象の予測において世界的に評価の高い機関です。
協定世界時(UTCとは)
ECMWFの時刻表示は、通常UTC(協定世界時)です。
日本時間と9時間の差があります。
・00UTCは日本時間の9時です。
・12UTCは日本時間の21時です。
天気図では"午前""午後"を使わず、0〜24時で表現することが多いです。
・06UTC(15時)、18UTC(3時)も覚えておくと便利です。
・18UTCは日付が変わります。1日18UCTは、日本では2日3時です。
1. ピンポイント予報の前に降水分布を見る
天気予報の基本は、先に大きな現象を見て、だんだん小さな現象を見ていくことです。
天気予報は外れることもありますが、予報が外れた時に被害を少なくする方法があります。
はじめの一歩目は降水分布予報を見ることです。
天気予報と投資の共通点
天気予報と投資には共通点があります。
未来を予測する試みや、確率を使ってリスクを評価する手法があることなどです。
多くの投資の専門家が、リスクをコントロールするための「分散投資」を勧めています。
天気予報にも活用すべき考え方です。
価格が上がりそうなものに一点張りして全資金を投入すのは、投資ではなく投機です。
うまくいけば大儲けできますが、一発アウトの危険を伴います。
天気予報では、ピンポイント予報のみで判断するのは投機的です。
ピンポイント予報で痛い目に遭ったことがある方には、分散投資的な天気予報をお勧めします。
分布予報で全体の流れを掴む
まずは分布予報で雨雲の動きを掴みましょう。
・雨が降るかもしれない場所と時間
・雨が降る理由(低気圧が通過するから。など)
を確認します。大枠を掴めば十分です。
降水の分布を頭に入れておけば、ピンポイント予報が度々変わったとしても、
・雨雲が発生する場所がずれたのかな
・予想より早く雨雲が通り過ぎるのかな
など状況を推測でき、ピンポイント予報に翻弄されることもなくなります。
2. 各国天気予報の組み合わせで予報精度向上
天気予報は様々の国で、たくさんの機関が発表しています。
どこの天気予報が一番当たるのか。
まず第一候補に挙げられるのはヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)の天気予報です。
ではECMWFの天気予報だけを見ればいいのかと言うと、そうでもありません。
気象庁が予報を当ててECMWFは外すこともあります。
天気予報が外れるのは、
・観測の誤差(観測データの質や量)
・予測するプログラムの質(地形の再現度や計算の手法)
(計算機の性能はプログラムの質に影響します)
・どうにもならない誤差(偶然誤差)
など、様々な誤差が生まれるからです。
天気予報の実務経験から、各機関の天気予報を平均すると精度が上がるように感じます。
各機関の予報を平均すると精度が上がるのは、いくつかの誤差が小さくなるためと推測されます。
(条件付きですが平均すると誤差が小さくなることは統計学でも度々目にする話です)
ただし何でもかんでもごちゃ混ぜにすればいいわけではありません。
比較的精度の高い機関の天気予報を選抜して平均すべきです。
精度が高くお勧めの機関を紹介していきます。
当たると評判のECMWF
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)はテレビでも度々名前が上がる有名な機関です。
ECMWFの予報は世界一と言われることもあります。
ただし私の知る限り「ECMWF世界一」を示す資料では、日本の天気を比較したわけではありません。
何をもって「世界一」とするか難しいです。検証のやり方を変えれば結果も変わるかもしれません。
とはいえECMWFが世界トップクラスの予報機関であることは疑いようがありません。
日本国内の予報に気象庁は外せない
日本の予報は気象庁も外せません。
ECMWFが世界一とされた資料でも、日本の気象庁は上位に食い込んでいます。
日本国内に限定すれば、気象庁は
・世界各国の比較に使われた「全球モデル」よりも地形を詳細に再現
・より小さな現象も再現できる手法を採用
している数値予報モデルを持っています。
ワンポイント解説:
数値予報モデルとは、地形や空気の流れをコンピュータ上に再現して天気を予測する仕組みです。
何より、計画を立てる際は「気象庁の予報に基づいて計画した」と言えば信用されやすいです。
「独自予報に基づいて計画」する場合、二重の責任がのしかかってきます。
・正しい判断をできているか
・天気予報の手法は適切か(←この責任まで負うことになります)
防災機関の方は特に、判断の根拠として気象庁の予報を外すべきではないでしょう。
お勧めは、気象庁の天気予報で計画し、ECMWFやNCEP(後述)の予報も見て保険をかけることです。
定評のあるNCEPの予報と米軍台風
余裕があれば、アメリカ国立環境予測センター(NCEP)の予報も確認しておくと安心です。
NCEPの天気予報も精度に定評があります。
台風では「米軍台風」も知る人ぞ知る定番の予報です。
台風の進路予想を1枚の図で確認できるため、根強い人気があります。
各国の天気予報を見られるサイト
ここまで紹介してきた各国の天気予報を、無料で見ることができるサイトを紹介します。
それぞれのサイトの特徴も記載しています。
Weather Models(外部サイト:運営は日本国内)
特徴:専門家向けです。確かな気象の知識に基づいて作り込まれている印象です。
・主要な各国の予報を一度に確認することができます
・定番のECMWFやGFS(NCEPの運用する予報モデル)が掲載されています
・気象庁の予報(数値予報)もGSMとMSMの2種類掲載されています
(MSMの方が、日本周辺の地形や大気の流れをより高精細に表現しています)
Windy(外部サイト:運営は海外)
特徴:多機能で初心者から専門家まで幅広く利用できます
・気象庁のMSMやECMWFを含む複数の国の予報を確認することができます
・直感的で見やすいグラフィックです
・雨や風だけではなく、多種多様な要素を切り替えて表示することができます
米軍台風(外部サイト:運営は海外の公的機関)
特徴:専門家向けですが、台風の進路予想の確認は難しくありません
・台風の進路予想を1枚の図で確認できます
・右側の「TC Warning Graphic」が台風の進路予想図です
当サイトにもECMWFの数値予報天気図を見られるページがあります。
降水分布図、高層天気図、波浪図を掲載しています。
ECMWFの数値予報天気図
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3. アンサンブル予報でリスク分散
「たくさんの国の天気予報を見るのは面倒」と思う方には、アンサンブル予報がお勧めです。
アンサンブル予報とは、少しずつ条件を変えて何度も天気予報を計算する手法です。
例えば「50回計算したうち40回が雨、10回が曇り」という結果なら、雨の可能性が高いと判断できます。
アンサンブル予報は「1つの答えを出す」のではなく「どのくらい確からしいか」まで示す予報手法です。
特に週間天気予報など数日以上先の予報で重宝されています。
気象庁のアンサンブル予報
気象庁はホームページでアンサンブル予報を公表しています。
週間天気解説資料
アンサンブル(ENS)平均予想図は、眺めるだけで1週間の天気を大体把握することができて便利です。
ただし専門家向けの資料ですので専門用語満載です。
専門用語の解説や週間天気解説資料の読み方をまとめましたので、チェックしてみてください。
週間天気解説資料の読み方
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ECMWFのアンサンブル予報
ヨーロッパ中期予報センター(ECMWF)のアンサンブル予報も公表されています。
・特定の量以上の雨が降る降水確率分布図
・ピンポイントの雨や風、波のアンサンブル予報
なども掲載されています。
ECMWF公式サイトは英語ですので、日本語で探したい方には以下の日本語リンクがおすすめです。
ECMWFの日本語リンク
関連ツール
ECMWFの公表しているデータを基に、より見やすく描画した天気図もあります。
よろしければこちらもご利用ください。
降水確率分布図(ECMWFのアンサンブル予報)
関連ツール
おすすめの通信会社
契約する通信会社によって年間の通信料は数万円変わります。
節約したい方へのおすすめは、楽天モバイルと日本通信です。
ギガ不足の心配がない楽天モバイル
当サイトではオープンデータをダウンロードして天気図を描画しているため、月に100GB以上使います。
楽天モバイルにはデータ容量無制限のプランがあり、大変お世話になっています。
圧倒的に安い日本通信
とにかく安くしたい方には日本通信がおすすめです。
・1GBで290円
・20GBで1,390円
・50GBで2,178円
手続きはオンラインのみで手順も少しややこしいことが難点ですが、手間をかける価値はあります。
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