週間天気予報解説資料の読み方
週間天気予報解説資料は、気象庁が専門家向けに公開している資料です。
週間天気予報の根拠を確認することができます。
上空の流れや降水量、3~7日先の天気の傾向を把握するために使われます。
一般的な天気予報とは異なり、予報の信頼度や予報が変わった理由を理解するための資料です。
更新は1日1回行われます。
気象庁「週間天気予報解説資料」とは?
この資料には、週間天気予報を作成する際に用いられる複数の予測データが掲載されています。
特に、アンサンブル予報を用いることで予報のばらつきや不確実性を確認できます。
週間予報の精度や信頼度を判断したい人にとって非常に重要な資料です。

(図は気象庁HP「週間予報解説資料」の2頁目を抜粋)
【基礎知識】週間天気予報解説資料で使われる用語
週間天気予報解説資料では、専門用語が頻繁に使われます。
よく出る専門用語を解説します。
じょう乱:大気の流れの乱れ
低気圧など、雨雲発生の要因を指して使われることが多い
モデル:数値予報モデル
大気の状態を数値的に計算し、将来の天気を予測する仕組み
GSM:気象庁の数値予報モデルの一つ
ECMWF:ヨーロッパ中期予報センター
NCEP:国立環境予測センター
アメリカ海洋大気局の組織
ENS:アンサンブル予報
同じ予報を少し条件を変えて何十回も計算し、その結果をまとめて予報する方法
クラスター:アンサンブル予報で似た予測のメンバー同士をグループ分けしたもの
クラスター平均:分けたグループ内での平均
メンバー:アンサンブル予報で数十回計算した1つ1つの予測結果
メインシナリオ:最も起こる可能性が高い予測
サブシナリオ:可能性は高くないが、起こり得る予測
週間天気予報解説資料(2ページ目)の構成
資料は大きく3つの図で構成されています。
500hPa高度・渦度
上段の図には、
・500hPaの等高度線
・渦度のアンサンブル平均(色で表現)
が描画されています。
上空の空気の流れや、大気の不安定さを読み取ることができます。
降水量
中段の図には、
・地上の気圧
・前24時間降水量(アンサンブル平均)
・風向・風速
が描画されています。
どの地域で雨が降りやすいか、おおまかな傾向を把握できます。
クラスター平均
下段の図には、
・地上の気圧
・前24時間降水量(クラスター平均)
が描画されています。
予測のばらつきや複数のシナリオを確認することができます。
500hPa高度・渦度の見方
上段の図では、500hPaの等高度線と渦度(色)に注目します。
渦度が大きい(朱色や紫色)領域は天気が崩れやすい場所です。
一般的に、
・西側に気圧の谷があり、渦度の大きい領域が近づく → 天気は崩れやすい
・西側に気圧の尾根があり、渦度の大きい領域が遠ざかる → 天気は回復しやすい
という傾向があります。
(気圧の谷はトラフ、気圧の尾根はリッジとも言われます)
上空の流れは今後の天気の変化を予測する手がかりになります。
降水量(24時間降水量)の見方
降水量の図は、前日21時から当日21時までの24時間降水量を示しています。
アンサンブル平均では予測のばらつきが平均化されます。
このため実際よりも弱い雨として表現されやすく、水色の範囲が広くなる傾向があります。
そのため「雨が降る可能性のあるエリア」を広く見ることが重要です。
クラスター平均とは?予報の信頼度の見方
クラスター平均は、アンサンブルメンバー(多数の予測結果)を、似たパターンごとにグループ分けしたものです。
この資料では、通常51通りの予測結果をいくつかのグループに分け、それぞれ平均しています。
すべてを平均するとぼんやりした予測になりますが、クラスター平均を使うことで、
・どのようなパターンが考えられるか
・予測がどの程度一致しているか
を確認できます。
また、右側には単一モデルの予想図(GSM)が並べられています。
比較することで予報のばらつきを判断できます。
・クラスターごとの差が大きい → 予報の不確実性が高い(信頼度が低い)
・ほぼ同じ傾向 → 予報の信頼度が高い
と考えることができます。
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