週間天気予報解説資料の読み方

週間天気予報解説資料とは、気象庁が公開している専門家(予報を考える人や解説する人)向けの資料です。
3~7日先の天気分布のほか、500hPa渦度や地上気圧・降水量のアンサンブル平均が掲載されています。
週間天気予報の根拠を知りたい人には便利な資料です。
更新は1日1回です。

図の例(2ページ目)

週間解説図

(図は気象庁HP「週間予報解説資料」の2頁目を抜粋)

500hPaと地上の予想図を拡大

上側の図は500hPaの等高度線と渦度のアンサンブル平均図です。
下側の図は24時間降水量のアンサンブル平均図です。
アンサンブル平均の図

(図は気象庁HP「週間予報解説資料」の2頁目の一部を抜粋)

クラスター平均の図

アンサンブル予報の各メンバーの中で似た予測をしているものをグループ分けしたものです。
クラスター平均の図

(図は気象庁HP「週間予報解説資料」の2頁目の一部を抜粋)

用語

500hPa高度線と渦度

上側の図が500hPaの等高度線と渦度(色)のアンサンブル平均図です。
朱色や紫色の場所は渦度が大きい所です。
読み方はFXFE502と同じです。
西側に気圧の谷(トラフ)があって渦度の大きい領域が近づいてきているときに天気が崩れやすくなります。
西側に気圧の尾根(リッジ)があって渦度の大きい領域が遠ざかるときに天気は回復しやすくなります。

500hPa面では、高度線に平行に近い流れで西から東向きに風が吹くことが多いです(緯度の低い場所は除く)。
高度線を斜めに横切る風もありますが急角度で横切ることはあまりありません。
高気圧や低気圧は上空の流れに乗って動く事が多く、500hPa面の風はその流れの目安にもなります。

前24時間降水量(21時)

下側の図は前日21時からその日の21時までの24時間降水量です。
アンサンブル平均では、比較的降水量の少ない水色の範囲が広くなる傾向があります。

クラスター平均

クラスター平均の図アンサンブルメンバーの中で似た予測をしているものをグループ分けしたものです。
この例ではグループを5つに分け、グループ毎に平均しています。
アンサンブルメンバーの予想を1つ1つ見るのはたいへんです(51通りの計算結果があります)。
一方で51通りのメンバー全てを平均するとぼんやりした図になるため、その間を取った形です。

比較のため一番右にGSMの地上予想図が並べられています。
予想の誤差の大きさを判断する材料になります。
それぞれのクラスター平均とGSMがバラバラなら誤差が大きく(週間予報の信頼度が低い)、ほとんど同じなら誤差が小さいと判断出来ます。

サブシナリオ

週間天気予報解説資料の中で「サブシナリオ」という言葉がでてきます。
可能性は高くないけど最悪こうなるという予測です。
これに対して可能性の高い予報は「メインシナリオ」。いわゆる業界用語です。