ECMWF10日間天気予測の読み方
10日間天気予測(Meteogram)はECMWF(欧州/ヨーロッパ中期予報センター)のホームページで1日2回更新されています。
緯度と経度を指定するとそのポイントの「雲の量」「降水量」「風速」「気温」の予想を見ることができます。
※利用上の注意:数値予報(HRESやENS)は先の予測になるほど大きな誤差を含みます。
グラフの例
ECMWF ENS Meteogramsから抜粋。
説明のため緑色の文字・線・枠を書き足しました。
©2024 European Centre for Medium-Range Weather Forecasts (ECMWF)出典:www.ecmwf.int
ライセンス:CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
免責事項:ECMWF does not accept any liability whatsoever for any error or omission in the data, their availability,
or for any loss or damage arising from their use.
グラフの種類
ここで紹介するメテオグラムには4種類のグラフが含まれています。
一番上のTotal Cloud Cover(okta)は雲の量です。
2つ目のTotal Precipitation(mm/6h)は降水量です。
3つ目の10m Wind Speed(m/s)は風速です。
4つ目の2m Temperatur(℃)は気温です。
上のグラフの例は北緯33.24°、東経131.69°、高さ2mの地点の予想です。
2023/5/15の00UTC(日本時間午前9時)を初期値としたENS予測です。
(グラフの上部に地点と初期値が記載されています)
青線と水色の棒
グラフの青実線は精度の高いHRESの予測です。
水色の棒や縦の線はアンサンブル予測の箱ひげ図です。
太い水色部分は50通りの計算結果の25~75%の範囲です。
(太い水色の棒の間にある横線は中央値です)
細い水色部分は10~90%の範囲です。
棒から上に伸びる線が最大値、下に伸びる線が最小値です。
水色の棒や線が長いほど、予想の誤差幅が大きい事を表します。
以前は赤点線でENS(アンサンブル)のControl予測も載っていました。
描画しなくなったようです。
時間軸(横軸)
グラフの横の1目盛りで6時間、1日当り4目盛で描画されています。
緑の実線で囲った部分は、日本時間で見た「18日」「19日」です。
UTC(協定世界時)は日本時間より9時間遅いため、1目盛半ずれています。
日中の予測を確認する際は、緑の点線で囲った「22日9~21時」のように1日の前半2目盛を見てください。
Total Cloud Cover(雲量)の読み方
1番上のグラフに雲の量が描画されています。
「雲の少ない日」を知りたい場合は、青色の折れ線や水色の棒が0(下側)に近い日を探します。
「雲の多い日」を知りたい場合は、青色の折れ線や水色の棒が8(上側)に近い日を探します。
参考例のグラフから、18日~19日の日中、20日の夜、22日は雲が多い予測であることが読み取れます。
Total Precipitation(降水量)の読み方
2番目のグラフは降水量です。
6時間当りの降水量が描画されています。
「白黒はっきりした予測を知りたい」場合は、青色の折れ線を見ます。
「雨の可能性がほぼない日」を知りたい場合は、青線が0で縦の線も見えない日を探します。
「雨の可能性が低い日」を知りたい場合は、青線が0で水色の棒も見えない日を探します。
「雨の可能性が高い日」を知りたい場合は、青線と水色の太い棒が両方見える日を探します。
グラフの例では、18日午後から19日朝まで雨が降る可能性が高いことが読み取れます。
グラフの上の赤色の数字はアンサンブル予測の最大値です。
23日は雨の可能性は低いものの、本降りになる可能性もあることが読み取れます。
降水量の数値は参考程度に見てください。
数値予報モデルでは降水量をピンポイントで当てられる程の精度はありません。
10m Wind Speed(風速)の読み方
3番目のグラフは風速です。
気象用語では10m/sで「やや強い」、15m/s以上で「強い」と定義されています。
(実際の所8m/sでもそこそこ強い風です。5m/sもあれば洗濯物は結構揺れます)
風は降水量と比べて予測精度が高いため、青線や箱ひげ図の中央値(太い水色の棒の真ん中あたり)を読み取ります。
Temperature(気温)の読み方
一番下のグラフは気温です。
このグラフからは、10日間でいつが暑いか・寒いか相対的な変化を読み取ります。
最高・最低気温は翌日でも±2℃くらいずれることがよくあります。
気温は地形の影響を受けやすく、地域毎に癖があるためです。
(気象庁など日本国内の予報では、地形の癖も考慮されています)