ECMWF風波予測グラフの見方
ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)では、風や波を予測したグラフも公開されています。
この資料では、風向・風速・波高・波向・周期を確認できます。
ECMWFの予測は世界的にも精度が高いことで知られています。
公開されているグラフでは10日先までの予測を確認できます。
釣り・サーフィン・航海・マリンレジャーの参考資料としても活用できる資料です。
この記事では、
・ECMWFの風波予測グラフの読み方
・波向表示を読む際の注意点
・ENSアンサンブル予測の見方
を初心者向けに解説します。
※数値予報は先の予測ほど誤差が大きくなります。最新の予報を確認してください。
ECMWFとは
ECMWFは「European Centre for Medium-Range Weather Forecasts」の略称です。
日本語ではヨーロッパ中期予報センターや欧州中期予報センターと訳されています。
世界最高水準とされる気象モデルを運用している機関です。
ECMWF風波予測グラフで分かること
ECMWFのメテオグラムでは、次の5種類のグラフを確認できます。
1. Distribution of 10m Wind Direction
10m高度の風向分布
2. 10m Wind Speed (m/s)
10m高度の風速
3. Significant Wave Height (m)
有義波高
4. Mean Wave Direction (oceanographic convention)
平均波向
5. Mean Wave Period (s)
平均波周期
グラフ上部には、予測地点の緯度・経度や初期値時刻が表示されています。
例として、北緯32.82°、東経132.04°の予測を抜粋して掲載します。
2023/6/14 12UTC(日本時間21時)を初期値とした予測です。

ECMWF ENS Meteogramsから抜粋。
説明のため緑色の文字・線・枠を書き足しました。
©2024 European Centre for Medium-Range Weather Forecasts (ECMWF)
出典:www.ecmwf.int
ライセンス:CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
免責事項:ECMWF does not accept any liability whatsoever for any error or omission
in the data, their availability, or for any loss or damage arising from their use.
青線と青色の棒の意味
グラフの青い実線は、比較的精度の高い代表値予測です。
青色の棒や縦線は、ENS(アンサンブル予測)の箱ひげ図を表しています。
太い青棒:50予測中の25~75%範囲
中央線:中央値
細い青棒:10~90%範囲
上下の線:最大値・最小値
青色の棒が縦長になるほど予測のばらつきが大きく、信頼度が低いことを示します。
一般的に予測日数が先になるほど誤差は大きくなります。
ENS(アンサンブル予報)とは?
アンサンブル予報とは、複数のシミュレーション結果を使って予測のブレ(不確実性)を表現する手法です。
ECMWFでは、51通りの予測を実行しています。
これにより、
・予報の信頼度が分かる
・予測のおおよその誤差が分かる
というメリットがあります。
時間軸(横軸)の見方
横軸は6時間ごとの予測です。
1日あたり4目盛で表示されています。
ECMWFはUTC(協定世界時)基準のため、日本時間(JST)では9時間の時差があります。
日本の日中の予報を確認したい場合は、1日の前半2目盛(9~21時付近)を確認してください。
風向・風速の読み方
風向の見方
最上段のグラフには、1日の風向分布が表示されています。
(日本時間9時~翌9時まで)
風向の表示方法は日本と同じです。
例えば、グラフが下向きの場合は「南風」を意味します。
つまり、南から北へ吹く風です。
風速の見方
2段目のグラフは風速です。
風が弱い日を探す場合は、青線や青棒が下側(0m/s付近)の日を確認します。
反対に、強風の可能性が高い日は、青線と青棒の両方が10m/s以上になっている日です。
(グラフ例では、20日午後から21日朝にかけて風がやや強まる予測になっています)
また、青棒が縦長の場合は、予測の不確実性が高い状態を示しています。
波高・波向の読み方
波高の見方
3段目のグラフは有義波高です。
波が低い日は、青線や青棒が低い位置に表示されます。
高波の可能性が高い日は、青線と青棒がともに高く表示されます。
風速と同様に、青棒が縦長になるほど予測誤差が大きい状態です。
波向の読み方【日本と表示が逆】
4段目のグラフは平均波向です。
ここで注意したいのが、ECMWFの波向表示は風向と向きが逆になる点です。
例えば南から北へ向かう風浪(風で起こる波)の場合、
・ECMWFの風向グラフ → 下向き
・ECMWFの波向グラフ → 上向き
という表示になります。
風向は風が吹いてくる方向を示し、波向は波が進んでいく方向を示しています。
(日本の気象庁の資料では、南風による風浪なら波向も南と表現されます)
波向グラフの色から平均波高を確認することもできます。
波浪の周期の読み方
最下段のグラフは平均波周期です。
周期が長いほど、うねりが卓越している状態です。
一般的に、うねりが強い場合は10秒前後の周期になることがあります。
実際の海面では、異なる方向・周期の波が重なり合っています。
ECMWFの更新時間
ECMWFの風波予測は、通常1日2回更新されています。
主な初期値時刻は以下です。
・00UTC
・12UTC
類似の天気図紹介
当サイトでは、ヨーロッパ中期予報センターのオープンデータを画像化した波浪図を掲載しています。
日本周辺の風向・風速、波高、波浪の周期を表示します。
よろしければこちらもご利用ください。
ECMWFデータによる日本周辺の波浪図(波高・周期予報)
関連ツール
当サイトに掲載している予想天気図の更新は不定期です。
ECMWFの公式天気図への日本語リンク集も作成しています。
仕事で使う方はこちらもご利用ください。
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