ECMWF風波予測グラフの読み方

風波予測のグラフがECMWF(欧州中期予報センター)のホームページで1日2回更新されています。
10日先までの風向・風速、波高・波向の予測を確認することができます。
ECMWFのHP上で指定した地点のグラフを見ることができます。
※利用上の注意:数値予報は先の予測になるほど大きな誤差を含みます。

グラフの例

ECMWF Wave

ECMWF ENS Meteogramsから抜粋。
説明のため緑色の文字・線・枠を書き足しました。

©2024 European Centre for Medium-Range Weather Forecasts (ECMWF)
出典:www.ecmwf.int
ライセンス:CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)
免責事項:ECMWF does not accept any liability whatsoever for any error or omission in the data, their availability,
or for any loss or damage arising from their use.

グラフの種類

ここで紹介するメテオグラムには5種類のグラフが含まれています。
一番上のDistribution of 10m Wind Directionは風向です。
2つ目の10m Wind Speed(m/s)は風速です。
3つ目のSignificant wave height(m)は波高です。
4つ目のMean Wave Direction(oceanographic convention)は波向です。
5つ目のMean Wave Period(s)は波の周期です。
上のグラフの例は北緯32.82°、東経132.04°の地点の予想です。
2023/6/14の12UTC(日本時間午後9時)を初期値としたENS予測です。
(グラフの上部に地点と初期値が記載されています)

青線と青色の棒
ECM_wave

グラフの青実線は比較的精度の高い予測です。
青色の棒や縦の線はアンサンブル予測の箱ひげ図です。
太い青棒は50通りの計算結果の25~75%の範囲です。
(太い青棒の間にある横線は中央値です)
細い青棒部分は10~90%の範囲です。
棒から上に伸びる線が最大値、下に伸びる線が最小値です。
青色の棒や線が長いほど、予想の誤差幅が大きい事を表します。

以前は赤点線でENS(アンサンブル)のControl予測も載っていました。
描画しなくなったようです。

時間軸(横軸)

グラフの横の1目盛りで6時間、1日当り4目盛で描画されています。
緑の実線で囲った部分は、日本時間で見た「18日」「19日」です。
UTC(協定世界時)は日本時間より9時間遅いため、1目盛半ずれています。
日中の予測を確認する際は、緑の点線で囲った「22日9~21時」のように1日の前半2目盛を見てください。

風向・風速の読み方

1番上のグラフに1日の風向分布が描画されています。
(日本時間午前9時~翌午前9時までの分布です)
風向きの表現は日本と同じです。グラフが下向きなら南風(南から北に吹く風)です。
2番目のグラフには風速が描画されています。
「風の弱い日」を知りたい場合は、青色の折れ線や青色の棒が0(下側)に近い日を探します。
「強風の可能性が高い日」を知りたい場合は、青色の折れ線と青色の棒が両方とも10m/sを超えている日を探します。
青色の棒が縦長の日は予測精度が悪い日です。
(通常は先の予測になるほど精度が悪くなります)
グラフの例では、20日午後~21日朝に風が強まることを読み取れます。

波高の読み方

3番目のグラフは有義波高です。
「波の低い日」を知りたい場合は、青色の折れ線や青色の棒が0(下側)に近い日を探します。
「高波の可能性が高い日」を知りたい場合は、青色の折れ線と青色の棒が両方とも高い日を探します。
青色の棒が縦長の日は予測精度が悪い日です。
(通常は先の予測になるほど精度が悪くなります)

波向の読み方

4番目のグラフは平均波向です。
(日本時間午前9時~翌午前9時までの平均です)
風向と違い、波向は日本と表示の向きが逆です。
(南から北に向う風浪のとき、ECMWFの風向グラフは下向き、波向グラフは上向きに表示されます)
色から平均波高を知ることも出来ます。

周期の読み方

一番下のグラフは波の平均周期です。
うねりが卓越すると周期は長くなり、10秒前後になります。
(波は様々な方向からくる様々な周期の波が重なり合ってできています)

類似の天気図

参考

地図で地点を指定してECMWFの天気図を表示する